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読書ログ:未来に先回りする思考法

読書

未来に先回りする思考法を再読した。去年読んでたのに、読んでたのを忘れてまた読んでしまった。なんという記憶力の悪さ。

 

すべての事象を把握できるほど人間のハードウェア(脳)は発達していないので、人間は目の前の出来事からしか未来を想像できない。しかし、スティーブジョブズのような先見性を有している人もいる。社会の進化のパターンがわかれば、未来を見通すことができるため、本書では汎用的な思考体系を共有している。

いつの時代もテクノロジーが社会に変化を起こす

テクノロジーというとITというイメージが強いが、初期のテクノロジーは武器や靴など身体に近いものだった。その後産業用の機械や飛行機、宇宙船など、テクノロジーはどんどん物理的に人から離れたものになっていった。これからのテクノロジーの流れとして、膨大なデータがAIに蓄積され、AIがデータを分析し、あらゆる物体が知性を獲得するようになると筆者は述べている。

イノベーションはどうやって起きるのか

筆者によるとイノベーションの原動力は「必要性」であるという。周囲の国と常に緊張関係にあるイスラエルが第二のシリコンバレーといわれるのも、人口の1%に過ぎないユダヤ人がノーベル賞の20%を占めるのも「そうしなければ生き残れないから」だそうだ。日本は平和で便利すぎるが故に破壊的なイノベーションが起きにくい。問題なのは「だから日本はだめだ」と国家単位でしか物事を考えられないこと、という筆者の指摘は確かにと思った。

テクノロジーは社会をどう変えるか

テクノロジーの変化は経済だけではなく、政治の方法を変える可能性も秘めている。実際エストニアではすでにインターネットで投票ができるようになっている。面白いと感じたのは、「投票率が低いのは悪なのか?」という指摘。環境や条件が変われば、問題解決の方法も変わって当然なのに、方法を変えずに投票率アップだけを狙うのは思考停止だ、という考えにはとても共感できた。私は政治にはあまり詳しくないので、選挙の前は付け焼刃的にどの候補者にするかネットで調べているが、まとまって政策が見れるところは結構少ない。テレビの議論は論点がすぐにずれるので、うんざりして見なくなってしまった。また、社会問題を解決するのにどれだけ政治家が役に立つのかも結構謎だと思っている。最近だと、孫さんがプーチンと意気投合していたり、すしざんまいの社長が海賊を壊滅させていたりで、社会のあり方を変えるのは必ずしも政治に限らないと思っているからだ。

もう一つ面白かったのは、すべての主義思想には「賞味期限」があり、テクノロジーの進化によって賞味期限はどんどん短くなるという指摘。今は情報があっても資本がなければ商売がなりたたないが、そのうち資本よりも情報が重要になれば、資本主義の次の主義が主流になるかもしれない。資本主義を所与として、その終わりなどあまり考えたことがなかった私には新しい考え方だった。

未来に先回りするにはどうすればよいか

未来に先回りするには、未来を読むだけではなく、未来に向かう電車が来るタイミングで、必要なリソースを構えて、駅のホームで待っている必要がある、と著者は指摘する。難しいのは「タイミング」だ。早すぎれば流行らず、遅すぎれば他の人に持っていかれてしまう。タイミングを読むには、周囲の人やメディアをリトマス試験紙にするが、この時大事なのは感情というフィルタを一旦無視する事だそうだ。つまり、誰かに相談して否定されても、気にしないということが大事。

そして今の自分の能力に基づいて意思決定してはいけない、という指摘もその通りだなと思った。今できそうなことは将来楽勝にできる可能性が高い。もっと高く目標を設定しないと、機械損失を生むことになる。

年末の都市伝説SPが気に入った人はこの本好きそうだと思った。